補聴器ファクトリーが大切にしていること
「補聴器」は「その方の聴力に合わせてきちっとつくる」というのが大事です。
いま、新聞広告等で「集音器」と呼ばれる「補聴器もどき」のような機器が紹介されています。「集音器」は2万円、3万円台の安価ですが、すべて音を大きくしてしまうので、ほとんどの人が使いづらいものになってしまいます。
私たち補聴器ファクトリーとしては、「世の中にきちっとした補聴器を広めたい」という想いがあります。
きちっとした補聴器というのは、「高額な補聴器」という意味ではなくて、その人の耳に合わせてしっかりつくられた補聴器のことです。
集音器を使ってしまった場合、どうなりますか
「補聴器」ではなく「集音器」を使ってしまった場合、全ての音が大きく聞こえてしまいます。人によって「高い音が聞こえづらい」という特徴がありますが、集音器だと高い音も低い音もすべて大きくしてしまいます。ちゃんと聴力を測って作った補聴器だと「高い音」が聞こえづらければ、そこだけ音が大きくなるように設定できます。
また、集音器は耳の形もとらず、一般的な形のものを詰め込みます。いきなり大きい音を聞く、というのはお耳を悪くしますし、歯科技師で言えば、型もとってないのに入れ歯を入れているようなものです。耳と機械の間に隙間が空くと「ハウリング」とっ言ってピーピー音がします。それで周りの人に「うるさいよ」と言われてしまいます。
デジタル補聴器というのはどういったものですか
以前は「アナログ補聴器」しかありませんでしたが、現在は技術の進化により「デジタル補聴器」が主流になっています。
アナログ補聴器から、デジタル補聴器に変わったことで、そのお客様の聞こえにくい周波数の音だけを聞こえるようにできます。しかも、急に音を上げると脳がついていけないので、3カ月から半年かけて音をつくっていきます。補聴器の中に人工知能が入っており、その方の生活環境を「家族が集まってわいわいしている場面」「一人で静かに読書をしている場面」「居酒屋で楽しんでいる場面」などのいくつかの場面にわけてデータを取ってくれます。そのデータを来店時に見せていただいて、補聴器を調整してくことで、その人にとって最適な補聴器を作ることができます。これがデジタル補聴器の大きな特徴です。
デジタル補聴器のもっとすごいところ
良い機種になると、会議室にいてエアコンがかかっているとき、エアコンの音は自動的にシャットアウトして、人との会話の声だけ聞こえやすいように環境をつくってくれます。このような環境の調整は、デジタル補聴器になってものすごく細かく調整してくれるようになりました。以前のアナログの補聴器は、「高価な割には環境音・雑音がうるさい」という問題がクリアでませんでしたが、最近のデジタル補聴器はその点が改善されたな、というのを、ここ数年お客様の反応で感じます。
補聴器の価格
補聴器の中に人工知能と、デジタル機能が一緒に入っているので、それで高価です。
この小さい補聴器の中に、音を拾うマイク、拾った音を大きくするアンプ、大きくした音を発するレシーバー(オーディオで言うとスピーカー)、人工知能が入っています。さらに、その方の暮らす様々な環境に合わせて音を調節する機能が入っています。これらが入っているので補聴器は高額になっていきます。皆さん、はじめに新聞広告等で「集音器」の価格を見ておられるので、うちに来られたときに「ひとつ10万円以上、一個20万円~40万円する補聴器がありますよ」、と言ったら、まずびっくりされます。ですので、お客様の「なぜこんなに高いの?」という問いに、お答えしていくのが大切だと思っています。
補聴器の買い替え時期
補聴器をしていても聴力というのは徐々に低下していきます。以前のアナログ補聴器は、聞こえなくなったらさらにパワーのあるものを購入していただくしかありませんでした。しかし、デジタル補聴器は聴力が低下しても、その聴力に合わせたデータをつくり、補聴器にセットすることができるびで、補聴器本体は買い替えなくてもいいのです。定期的にメンテナンスと検査をしてれば、5年、8年、10年使用することができます。
最新の機能 Bluetoothとの連動
スマホにBlue toothが内蔵されていれば ケータイがなったら補聴器から着信音が聞こえ、補聴器のボタンを押すことで通話ができます。
Youtube等を見ている時もBluetoothのイヤホンのように補聴器から直接音声を聞くことができます。「横で会話がはじまったらYoutubeの音量さげる」ということもできます。以前のアナログ補聴器では「電話の声が聞こえない」という悩みがものすごく多かったのですが、Blurtoothとの連動ができたおかげですごく改善されました。
補聴器の種類とデザイン
最新の一番小さいタイプでチタン製のものがあります。チタンにすることですごく音の響きが優しくなります。難聴の具合によっては補聴器も大きくなり、耳の型をとったりします。電池式が多いですが、充電式もあります。「快適なつけごこち」というのも今はご提案ができるようになっています。カラーも十色くらいから選べます。黒だとBlutoothイヤホンのような形でイメージが一新されてきています。聞こえにくいことを隠すのではなく、「補聴器を楽しもう」という雰囲気になってきています。
補聴器をつけはじめるタイミングは?
ご家族から「テレビの音が大きい」と言われる、聞き間違いをしてしまうことが徐々に増えてきた、というような時は一回聴力を測ってみましょう。
また、補聴器は「早期装用」が大事です。聴力が落ちて何年も経った人は、聴神経が休止状態になっているので、補聴器で音が入ってくると、音が割れて「うるさい」と感じてしまいます。そうなると補聴器が馴染むまでにかなりの時間が必要になってしまいます。早めに補聴器をつけることで、快適にすごせるまでの道のりが早くなります。
難聴の人が補聴器を試用したら、表情がパッと明るくなったりします。「無口な人なのかな」と思っていたら、補聴器をつけたことですごくおしゃべりになって「ああ、この人は元来とてもおしゃべり好きの人だったんだな。それが聞こえが悪くなったことで無口になっていたんだな」と思うことがあります。
難聴が認知症の要因になると言われていることもあり、補聴器を正しく売るということは、社会貢献だと思っています。それで当店ではきちんと認定補聴器技能者の資格を取り、医療機関とも連携しています。